札幌の石(札幌軟石)

札幌南区石山から南方方向に約30km。札幌では有名な支笏湖があります。約4万年前に起きた、支笏湖形成時の大噴火に発生した高温の水蒸気やガスを含む火山灰が流動化して火砕流となり石山の辺りに流れてきて冷え固まったものが「溶結凝灰岩」と言う名の「札幌軟石」です。石材としては軽く加工がしやすかった為、明治から大正にかけて主に建築用として使われた石のようです。

この石は、南区石山で軟石を使った商品を作成している「軟石や」さんから頂きました軟石の原石です。札幌軟石は、非常に柔らかい石のため、採掘時に規定の大きさをチェーンソーで切り出し、そのあとに用途に合わせた大きさにカットするのだと教えていただきました。なのでチェーンソーで切り出した所はシマになっていて、その後加工したところは、凹凸なく平らにカットされているそうです。(「軟石や」さん貴重な石を頂きましてありがとうございました。)


「軟石や」さんで購入した「お家」のレンガ模様は、糸ノコやカッターを使用して加工すると聞きました。そんなに柔らかい石だとは知らず・・・。おどろきました。

南区石山にある「軟石や」さんです。

札幌軟石で作られた小樽運河の倉庫

北海道の観光地で有名な小樽運河。大正時代はこの運河を艀(はしけ)という、重い荷物を積んで航行する平底の船舶から荷上げた荷物を納める倉庫として使われていた建物のようです。この倉庫達も札幌軟石で建てられています。昭和61年頃に散策路などを作り、観光名所として再生。今、この倉庫達は、おしゃれな喫茶店や小さな結婚式場・・・様々な建物へと生まれ変わり、今も現役で活躍しています。

札幌軟石で造られた「余市ニッカウヰスキー」の建物

小樽中心部から西方へ約20㎞「マッサン」で有名になった余市ニッカウヰスキー蒸溜所があります。豊かな水、澄んだ空気、冷涼で湿潤な気候の余市。この地でも札幌軟石を使った倉庫が使用されていました。冬は暖かく、夏は最適な湿度が保たれると言われている軟石。ニッカさんの力強くコクのあるウイスキーを作るために、使用されたのでしょうか・・・・・

石山緑地

支笏湖に向かう国道453号線沿いにある「石山緑地」には、札幌軟石産出の跡地があります。公園として生まれ変わった跡地では、公園の景色と一緒に採掘跡を見ることができます。